今回は分詞構文と使役動詞でした。
解説自体は新しいことはなかったです。課題文の解釈を2カ所で大きく間違えてしまいましたが、解説を聞いて、時制の示すニュアンスが少しは分かってきたような気がした回でした。
ちなみに、以下の訳は、授業を聞いた後の自分の訳です。織田先生のではありません。
Et la poulie gémit comme gémit une vieille girouette quand le vent a longtemps dormi.
「すると滑車は軋んだ。まるで、風が長い間吹いていなかった風見鶏が軋むように」
前の gémit は単純過去、後ろの gémit は現在形なのですが、両方とも単純過去で訳していました。後ろの gémit の従属節が複合過去で、過去に起こったことの現在への影響を語る時制であることと、後ろの文章は比喩であることを考えれば、当たり前なのですが、単純過去と現在形が同じ形だということが頭に浮かびませんでした。要注意。
Je soulevai le seau jusqu'à ses lèvres. Il but, le yeux fermés. C'était doux comme une fête. Cette eau était bien autre chose qu'un aliment. Elle était née de la marche sous les étoiles, du chant de la poulie, de l'effort de mes bras.
「僕は桶を彼の口元に持ち上げた。彼は目を閉じて飲んだ。それは、まるでお祭りのようにわくわくする状況だった。その水はただの飲みものとはまるで違っていた。その水は、星空の下を流れ、滑車の歌を聞き、僕が腕で桶を持ち上げたことで生まれた水だったのだから」
まず、C'était doux comme une fête. の Ce は、水かと思って訳していました(先生が授業の中で酷評していた通りに・・・)。でも、そうすると comme une fête が上手くいかないので、「お祭りの食事のように」としていたのですが、 fête にそういう意味はないですね。Ce を全体的な状況と考えると、しっくりきます。doux が「甘い」だから Ce は食べ物、という単純な連想だと取り違える、ということでした。
また、ここは、過去時制の使い方のとても良い例文になっているのですが、あまり味わってなかったです。最初に単純過去で行為に焦点を当て、次に半過去で状況を回想し、最後に大過去で半過去で示された状況の理由を語っています。
文法編の説明の時に、単純過去は過去をビデオカメラでアップで映すような(特定の行為に注目した)時制、半過去は全体を引きで撮るような(状況をばくっと語る)時制、という、時制の変化をカメラワークで捉えた解説がありましたが、その動きがとてもよくわかる文章でした。