前回の続きで、有名人を広告塔に使うようになったファッション業界の歴史です。
Le message est assez simple : « Regarde, ton idole aime cet habit. Tu veux lui ressembler ? Alors porte-le ».
非常に単純な広告戦略ですが、うまくいくときはうまくいくんですね。「~に似る」は ressembler à ... で、間接目的語をとります。être semblable (analogue, pareil) à ... (~に似ている)も同じように à をとります。
例 Cette fille ressemble à sa mère comme deux gouttes d’eau.
「この少女は母親に瓜二つだ」
(直訳)「この少女は、まるで二滴の水のように母親に似ている」
フランス語では、瓜二つだ、というのを、二滴の水のように似ている、という言い方をするんだそうです。
この戦略が最初にうまくいったのはスポーツ業界で、スポーツシューズやウェアをタウン用途にして売り出すことで大成功をおさめます。
Adidas, Nike, Puma, tout le monde s’y met et pour vendre, les grandes marques n’hésitent pas à casser leur tirelire pour s’offrir les plus grandes personnalités sportives du moment.
se mettre à は「~をし始める」(≒ commencer à)という意味で覚えますが、その他にも、「~が好きになる、~の習慣を持つ」という意味もある、のだそうです。手元にある辞書には出てきませんでしたが、この文章だと、そういう感じのような気がします。
例 Jusqu’alors il ne mordait pas aux maths, maintenant il s’y met.
「その時まで彼は数学に興味を示さなかったが、今は好きになっている」
ということで、スポーツ選手を使った販売戦略が花盛りになる、という流れでした。次回は、ついに、この文章の最後、ソーシャルメディアの活用です。